AWSエンジニアはやめとけと言われる理由|案件のタイプで変わる実態と見極め方

AWSエンジニアは「やめとけ」と言われることがあります。ただ、その言葉が当てはまるかどうかは、AWSという技術よりも、担当する案件のタイプで大きく変わります。夜間の障害対応や決まった手順の繰り返しが中心の案件もあれば、設計や自動化を任される案件もあるからです。
この記事では、よく挙げられる理由を整理したうえで、「AWSエンジニア」という言葉が指す2つの働き方を区別し、案件タイプごとの当てはまり度を表にまとめました。今の仕事がどちら側にあるかを自分で測る方法と、職場を見極める質問リストも載せています。
- 情報の確認日 2026年9月22日
- 読み比べた記事 検索上位の5本
- 確認した一次情報 Google『Site Reliability Engineering』、総務省『令和7年版 情報通信白書』、AWS公式の認定資格ページとWell-Architectedフレームワーク
- 参考にした読者の声 Yahoo!知恵袋の質問3件、Qiitaの記事1件、元AWS社員のブログ1件
この記事は筆者の体験談ではなく、上の資料と投稿を読み比べて整理したものです。数値や制度は一次情報で確認できたものだけを載せ、確認できなかったことは「この記事で分からないこと」にまとめています。
AWSエンジニアがやめとけと言われる主な理由

AWSエンジニアがやめとけと言われる理由は、大きく4つに分けられます。障害対応やオンコールの負担、運用監視への偏り、学ぶ範囲の広さ、そして成果が評価されにくいことです。どれもAWSに固有の問題というより、クラウドの運用を担う仕事の構造から生まれる問題で、担当する案件や職場によって重さが大きく変わります。
検索上位の記事や、Yahoo!知恵袋・Qiitaに投稿された現役エンジニアの声を読み比べると、不満の中身はこの4つにほぼ集約されます。どれも、決まった条件がそろうと起きやすくなる問題です。
障害対応とオンコールの負担
障害対応とオンコール(夜間や休日に呼び出しに備えて待機する当番)は、AWSエンジニアが最も負担に感じやすい業務です。システムが止まれば時間帯に関係なく対応が求められ、発生のタイミングを事前に読めないため、予定が立てにくくなります。
特に24時間365日で動くサービスを担当すると、当番の回数が増えがちです。元AWS社員の体験記でも、チャットや呼び出しから離れられないことが辞める理由の1つとして挙げられていました。
運用監視に偏りやすい業務
運用監視とは、システムが正常に動いているかをアラートやダッシュボードで見守り、決められた手順で一次対応をする仕事です。未経験や経験の浅い人はこの業務から入ることが多く、そのまま何年も続くと、設計や構築の経験が積み上がりません。
Yahoo!知恵袋には「運用保守は生産性も経験も得られない」という回答が付いた質問があり、Qiitaにも「手順書どおりの作業はできるが、設計の提案ができない」という3年目のエンジニアの投稿があります。やめとけと言われる理由の多くは、この状態を指しています。
学ぶ範囲の広さとアップデートの多さ
AWSはサービスの種類が多く、新機能の追加や仕様の変更も頻繁です。さらに、実務ではAWSの操作だけでなく、Linux、ネットワーク、セキュリティといった土台の知識が求められます。業務時間外にも学び続ける前提になりやすく、負担だと感じる人がいます。
未経験からAWSを目指す人の質問でも「Linuxの知識は必須か」「資格はどの順番で取るべきか」といった、何から学べばよいか分からないという悩みが目立ちます。
安定稼働が当たり前で評価されにくい
インフラは、止まらずに動いていて当然と見なされる領域です。障害を起こさない工夫をしても目に見える成果になりにくく、障害が起きたときだけ注目されます。そのため、努力が評価に結びつかないと感じやすい仕事です。
ただし、この問題は職場によって差があります。運用の改善や自動化を成果として数える組織もあれば、何も起きなかったことを評価しない組織もあります。この差は、面談で評価のされ方を聞けば入る前に確かめられます。
- 障害対応・オンコールで生活のリズムが崩れる
- 運用監視の繰り返しで、設計や構築の経験が積めない
- AWS以外の土台の知識も含めて、学ぶ範囲が広い
- 安定稼働が前提なので、成果が見えにくい
4つの理由は、どれも「どの案件を担当するか」「どんな職場か」で重さが変わります。ここを分けずに「AWSエンジニアはやめとけ」とひとまとめにすると、判断を誤ります。技術のせいにするのは早すぎます。
やめとけと言われる理由を並べると、AWSという技術の問題より「任される仕事の中身」の問題が大半だと分かります。まず自分の案件がどのタイプかを見るのが先です。
「AWSエンジニア」という言葉が指す2つの働き方

「AWSエンジニア」という言葉は、2つの意味で使われています。1つはSIerやSES企業、事業会社でAWSを使ってシステムを作ったり運用したりするエンジニア。もう1つは、AWSを提供するアマゾン ウェブ サービス ジャパンで働く社員です。検索で読める記事は、この2つが混ざったまま書かれていることが多く、自分に関係のない話まで当てはめてしまう原因になっています。
「やめとけ」の中身も、どちらの意味かで変わります。前者は案件のタイプによる差が大きく、後者は外資系企業としての働き方や、顧客対応の量が論点になります。
AWSを扱うエンジニア
一般に求人で「AWSエンジニア」と書かれるのは、こちらの意味です。所属先はSIer、SES企業、Webサービスを運営する事業会社などで、AWS上にシステムを設計・構築し、運用する役割を担います。同じ肩書きでも、運用監視だけを担当する人と、構成の設計から任される人とでは、仕事の中身がまったく違います。
ネットで語られる「やめとけ」の理由のほとんどは、こちらの働き方の話です。
AWS社で働くエンジニア
アマゾン ウェブ サービス ジャパンで働くエンジニアは、顧客のAWS利用を技術面で支える立場です。サポートエンジニアやソリューションアーキテクトなどの職種があり、多くの顧客のシステムに触れられる一方で、問い合わせや呼び出しへの対応が続くことがあります。
「AWSエンジニア やめとけ」で検索すると、元AWS社員が退職理由を書いた体験記が上位に出てきます。これはこちらの働き方の話で、SIerやSESでAWS案件を担当する人の悩みとは前提が異なります。
| 比べる項目 | AWSを扱うエンジニア | AWS社で働くエンジニア |
|---|---|---|
| 所属先 | SIer・SES企業・事業会社 | アマゾン ウェブ サービス ジャパン |
| 主な仕事 | AWS上のシステムの設計・構築・運用 | 顧客のAWS利用の技術支援・問い合わせ対応 |
| やめとけと言われる主な理由 | 運用監視への偏り、障害対応、評価されにくさ | 問い合わせや呼び出しの多さ、仕事量 |
| 差が出るポイント | 担当する案件のタイプ | 職種と所属チーム |
キャリアノート編集部が、検索上位5記事と公開されている投稿をもとに整理(2026年9月22日時点)
自分が知りたいのがどちらの働き方の話なのかを分けておくと、ネット上の評判を読むときに混乱しにくくなります。
案件タイプで変わる「やめとけ」の当てはまり度

AWSを扱うエンジニアの案件は、運用監視・保守、構築・移行、設計・SREの3つに大きく分けられます。やめとけと言われる4つの理由がどれだけ当てはまるかは、このタイプでほぼ決まります。運用監視の案件ほど当てはまりやすく、設計に近づくほど当てはまりにくくなります。同じ会社でも、配属されるチームによってタイプが分かれることがあります。
運用監視・保守の案件
運用監視・保守の案件は、アラートの確認、定型の設定変更、バックアップの確認、障害時の一次切り分けが中心です。手順書が整っていて未経験でも入りやすい一方、同じ作業の繰り返しになりやすく、夜間のシフトや当番がある現場も少なくありません。4つの理由がすべて当てはまりやすいタイプです。
構築・移行の案件
構築・移行の案件は、設計書に沿ってAWS上に環境を作る仕事や、社内のサーバーからAWSへ移す仕事です。VPC(AWS上に作る仮想のネットワーク)やサーバー、データベースを実際に組み立てるので、手を動かす経験が積めます。案件が終われば次に移るため、同じ作業がずっと続くことは少なめです。
設計・SREの案件
設計・SREの案件は、どんな構成にするかを決める仕事や、運用の手作業をなくす仕組みを作る仕事です。SRE(サイト信頼性エンジニアリング)は、Googleが提唱した、ソフトウェアの手法で運用を改善する役割を指します。障害対応はありますが、再発を防ぐ仕組みを作る側に回れるため、繰り返し作業の割合は下がります。
| やめとけと言われる理由 | 運用監視・保守 | 構築・移行 | 設計・SRE |
|---|---|---|---|
| 障害対応・オンコール | 当てはまりやすい | 案件による | あるが再発防止が主 |
| 繰り返し作業への偏り | 当てはまりやすい | 当てはまりにくい | 当てはまりにくい |
| 学ぶ範囲の広さ | 中程度 | 広い | 最も広い |
| 成果の見えにくさ | 当てはまりやすい | 完成物が残る | 改善の数値で示せる |
キャリアノート編集部による一般的な傾向の整理。実際の当てはまり方は職場やチームで異なる
例外は学ぶ範囲です。こちらは設計に近づくほど広がります。一方で、学んだことが成果として残りやすいのも設計側です。やめとけと言われる理由の大半は、運用監視の案件に集中していると読めます。
「AWSエンジニア」とひとくくりにせず、今の案件が表のどの列かを見てください。運用監視の列にいるなら、次の章の方法で実態を数字にしてみるのがおすすめです。
繰り返し作業の割合を1週間で測る方法

今の仕事がやめとけ側かどうかは、感覚ではなく、繰り返し作業が業務の何割を占めるかで判断できます。物差しとして使えるのが、GoogleのSREチームが定義した「トイル」という考え方です。1週間ほど業務を記録するだけで、自分の現在地がかなり正確に分かります。記録に使うのはメモ帳かスプレッドシートだけで、特別なツールは要りません。
Google SREが定義するトイル
トイルとは、本番のサービスを動かすための作業のうち、手作業で、繰り返し発生し、自動化でき、その場しのぎで、長く残る価値を生まず、サービスが大きくなるほど比例して増える作業のことです。Googleが公開している書籍『Site Reliability Engineering』で、この定義が示されています。
Toil is the kind of work tied to running a production service that tends to be manual, repetitive, automatable, tactical, devoid of enduring value, and that scales linearly as a service grows.
(訳)トイルとは、本番サービスの運用に結びついた作業のうち、手作業で、繰り返し発生し、自動化でき、その場しのぎで、長く残る価値がなく、サービスの成長に比例して増える傾向のある作業のこと。
出典 Google『Site Reliability Engineering』Chapter 5 Eliminating Toil
同じ書籍では、GoogleのSRE組織が、運用作業を各SREの時間の50%未満に抑えることを目標にしていると書かれています。残りの時間は、トイルを減らす仕組み作りに使うという考え方です。
- 手作業である(スクリプトにすれば置き換えられる)
- 繰り返し発生する(毎日・毎週同じことをしている)
- 自動化できる(人の判断が要らない)
- その場しのぎである(割り込みで発生する)
- 終わっても状態が良くならない
- サービスが大きくなると比例して増える
6つのうち多くに当てはまる作業ほど、トイルの度合いが強い作業です。
1週間の業務を記録して割合を出す
やり方は単純です。1週間、30分から1時間ごとに何をしていたかを書き出し、それぞれをトイルかどうかに分けます。最後にトイルの時間を合計して、全体の時間で割れば割合が出ます。Googleの目標である50%を大きく超えていれば、仕事の中身が繰り返し作業に偏っていると判断できます。
| 業務の例 | トイルか | 理由 |
|---|---|---|
| アラートを確認して手順書どおりに再起動 | トイル | 手作業で毎回同じ・自動化できる |
| 定型の申請に沿ったユーザーやアクセス権限の追加 | トイル | 繰り返し発生し人の判断が少ない |
| 再起動を自動化するスクリプトの作成 | トイルではない | 作業そのものを減らす |
| 障害の原因分析と再発防止策の提案 | トイルではない | 終わると状態が良くなる |
| 新しい環境の構成を設計する | トイルではない | 長く残る価値を生む |
判定はGoogle『Site Reliability Engineering』のトイルの定義に当てはめた例。職場の運用ルールによって変わる
記録を取ると、自分では忙しいと感じていても、中身の多くがトイルだったと分かることがあります。数字があると、上司に業務の見直しを相談するときの材料にもなります。
作業の名前だけでなく、それが自動化できそうかを横にメモしておくと、次の章の「自動化の実績を作る」の候補リストがそのまま手に入ります。
運用監視から評価される側に移る手順

運用監視の案件にいても、評価される側には移れます。やることは、今の業務の中で自動化の実績を作ること、資格を実機の経験と組み合わせること、設計の考え方を身につけることの3つです。いきなり職場を変えるより先に、今の現場で動ける部分から始めます。どれも個人で進められ、成果は職務経歴書にもそのまま書けます。
運用の中で自動化の実績を作る
前の章で見つけたトイルの中から、手順が決まっていて、頻度が高いものを1つ選び、スクリプトやAWSの自動化機能で置き換えます。「月に何時間分の作業をなくしたか」を数字で残すと、評価面談でも職務経歴書でも使える実績になります。
QiitaでSES3年目のエンジニアが書いた記事でも、個人のAWSアカウントで週1回構成を組み、CloudFormationやTerraform(インフラの構成をコードで書いて自動で作るツール)で再現したことが、現状を変えるきっかけになったと書かれていました。
資格は実機の経験と組み合わせて使う
AWS認定資格は、学ぶ範囲を体系的に押さえるのに役立ちます。ただ、資格だけを持っていて実機の経験がないと評価されにくい、という声は多く聞かれます。資格の勉強で学んだサービスを、個人のアカウントや現場で実際に触ることで、はじめて強みになります。
| レベル | 主な資格 | 受験料(公式) |
|---|---|---|
| Foundational | Cloud Practitioner、AI Practitioner | Cloud Practitionerは100USD |
| Associate | Solutions Architect、Developer、CloudOps Engineer、Data Engineer、Machine Learning Engineer | CloudOps Engineerは150USD |
| Professional | Solutions Architect、DevOps Engineer、Generative AI Developer | 300USD |
| Specialty | Security、Advanced Networking、Machine Learning | 各資格のページで確認 |
2026年9月22日時点、AWS公式サイトの認定資格ページと各資格のページで確認
AWS公式サイトによると、認定の有効期間は3年です。Advanced Networking – Specialtyは2026年12月31日で廃止される予定と案内されています。受験前に公式ページで最新の状況を確認してください。
設計の考え方を身につける
設計に近づくには、AWSがまとめている設計の考え方を知っておくのが近道です。AWS Well-Architectedフレームワークは、クラウドの構成を良くするための観点を整理したもので、次の6つの柱で構成されています。
- 運用上の優秀性
- セキュリティ
- 信頼性
- パフォーマンス効率
- コスト最適化
- 持続可能性
運用の現場にいる人は、信頼性や運用上の優秀性の観点で、今のシステムの弱いところを指摘できる立場にあります。気づいた点を改善案として出すことが、設計側へ移る一歩になります。
自動化の実績、資格、設計の観点は、どれも職場を変えずに今日から始められます。3か月続けて何も任されなければ、そのときは職場そのものを見直すタイミングです。
AWS案件の職場を見極める質問リスト

職場を変えることを考えるなら、次の職場が運用監視中心なのか、設計や構築まで任されるのかを事前に確かめることが大切です。求人票の書き方と、面談で聞く質問を決めておけば、入ってから「思っていた仕事と違う」となる失敗を減らせます。AWS案件は同じ職種名でも中身の幅が広く、職種名だけでは運用監視中心かどうかを判断できません。
求人票で確認する項目
求人票では、仕事内容の書き方に注目します。「AWS環境の運用保守」「監視」「24時間365日」「シフト制」といった言葉が並んでいれば運用監視中心の可能性が高く、「設計」「構築」「IaC」「自動化」「SRE」が具体的に書かれていれば、手を動かす仕事が含まれている可能性が高いと読めます。
- 仕事内容に「設計」「構築」「自動化」が具体的に書かれているか
- 「シフト制」「夜間対応あり」「オンコール」の記載があるか
- 使うツールとしてTerraformやCloudFormationなどが挙がっているか
- 配属先が自社サービスか、客先常駐か
面談で聞く質問
面談では、入社後の1年間で実際に何を担当するのかを具体的に聞きます。運用の仕事がゼロの職場は多くありません。大事なのは、運用と改善の割合、改善の仕事が評価される仕組みがあるかどうかです。
- 入社後に担当する業務のうち、運用監視と構築・改善の割合はどのくらいか
- オンコールの当番は月に何回程度か、夜間対応の手当はあるか
- 運用の自動化や改善をした場合、どのように評価されるか
- 運用から設計・構築の担当に移った人はいるか
遠慮は要りません。答えがあいまいな場合や、運用の割合を教えてもらえない場合は、運用監視中心の職場である可能性を考えておくと安全です。IT業界で働き方を見直したい人に向けた記事は、働くカテゴリの記事一覧にもまとめています。
職場を変える場合も、まずは今の職場で業務の割合を記録しておくと、面談で「何を変えたいのか」を具体的に説明できます。記録がないまま動くと、同じタイプの案件に移ってしまうことがあります。
クラウドを扱う仕事の将来性と需要

AWSエンジニアの仕事がなくなる心配は、今のところ小さいと考えられます。総務省の通信利用動向調査では、2024年時点で8割を超える企業がクラウドサービスを利用しており、クラウドを設計・運用できる人の役割は続きます。ただし、何をする人の需要が残るのかは変わっていきます。定型の作業は自動化で減り、判断を伴う仕事の比重が高まっていくと考えられます。
クラウドを使う企業は8割超
令和7年版情報通信白書によると、総務省の通信利用動向調査で、2024年時点で80.6%の企業がクラウドサービスを利用しています。企業の多くがクラウドを使う前提で動いている以上、それを支えるエンジニアの仕事は今後も必要とされます。
この数値はクラウドサービス全体の利用率で、AWSに限った数字ではありません。どのクラウドを使うかは企業によって異なります。
自動化で減る作業と残る作業
Yahoo!知恵袋には、自動化が進むとAWSエンジニアの仕事がなくなるのではないかと不安を書いた3年目のエンジニアの質問があります。実際に減っていくのは、手順書どおりの設定や定型の監視のような、前の章でトイルと呼んだ作業です。構成を決める判断や、障害の原因を突き止める仕事は残ります。
- 減っていく作業は定型の設定変更、手順どおりの監視、手作業の構築
- 残る仕事は構成の設計、障害の原因分析、コストや安全性の判断
- 新たに増える仕事は自動化の仕組み作り、AIを含む新しいサービスの導入
将来性を考えるうえでも、トイルの割合を下げて判断する仕事に寄せていくことが、そのまま安定につながります。職種の基礎知識は知るカテゴリにもまとめています。
- 特定の企業や現場で、運用監視と構築・改善の割合がどのくらいかは公開されていません。入る前に面談などで直接確かめる必要があります
- AWSエンジニアに限った年収の公的統計は見当たらなかったため、年収の数値は載せていません
- AWS社の社内の働き方は、公開されている元社員の体験記を参照したにとどまり、職種やチームによって異なる可能性があります
よくある質問
未経験からAWSエンジニアを目指すのはやめたほうがいいですか?
やめる必要はありませんが、最初は運用監視の案件から入ることが多いと知っておくべきです。Yahoo!知恵袋でも、Linuxの資格を取り、運用保守から始めて構築、AWSの設計へと進む道筋が回答として挙がっていました。入口が運用監視でも、この記事で紹介したトイルの記録と自動化の実績作りを並行すれば、設計側に移る時期を早められます。運用の仕事に何年もとどまらないよう、入る前から次の段階を決めておいてください。
AWSの資格を取れば運用監視から抜け出せますか?
資格だけで抜け出すのは難しいと考えたほうが確実です。資格は学ぶ範囲を体系的に押さえるのに役立ちますが、評価されるのは、その知識を使って何を作ったか、何を改善したかです。資格の勉強で学んだサービスを個人のアカウントで組んでみる、現場の手作業を1つ自動化してみる、といった実機の経験と組み合わせることで、面談や職務経歴書で説明できる材料になります。
オンコールがつらい場合はどうすればいいですか?
まず、当番の回数と呼び出しの件数を1か月ほど記録し、どの種類のアラートで呼ばれているかを分けてみてください。同じ原因で繰り返し呼ばれているなら、それは自動化や再発防止で減らせる可能性があります。記録をもとに改善を提案しても当番の負担が変わらない場合は、オンコールの少ない案件や職場を検討する理由になります。体調を崩すほどの負担が続く場合は、早めに上司や産業医に相談してください。
まとめ
AWSエンジニアがやめとけと言われる理由は、障害対応、運用監視への偏り、学ぶ範囲の広さ、評価されにくさの4つに集約されます。ただし、その多くは運用監視の案件に集中していて、AWSという技術そのものの問題ではありません。同じAWSエンジニアでも、設計や自動化を担う立場なら、4つの理由の多くは当てはまりにくくなります。
- 「AWSエンジニア」にはAWSを扱うエンジニアとAWS社の社員の2つの意味があり、やめとけの中身が違う
- やめとけと言われる理由の多くは、運用監視・保守の案件に集中している
- Google SREのトイルの定義を使えば、繰り返し作業の割合を1週間で測れる
- 自動化の実績、資格と実機の組み合わせ、設計の観点で評価される側に移れる
- 職場を変えるなら、求人票と面談で運用と改善の割合を必ず確認する
まずは1週間、自分の業務を記録してトイルの割合を出すところから始めてみてください。このサイトの記事の作り方は編集方針と情報源にまとめています。
参考資料
- Google『Site Reliability Engineering』Eliminating Toil
- 総務省『令和7年版 情報通信白書』クラウドサービス
- AWS認定(AWS公式)
- AWS Well-Architected フレームワークの柱(AWS公式)
- テンミリ転職『僕が AWS を辞めた理由』(元AWS社員の体験記)
- Qiita『SES3年目で「このままでいいのか」と思ったときに、自分がやったこと全部書く』
- Yahoo!知恵袋 クラウドエンジニアの運用・保守業務についての質問
- Yahoo!知恵袋 未経験からAWSのクラウドエンジニアを目指す人の質問
- Yahoo!知恵袋 AWSエンジニア3年目の将来についての質問